坂下門外の変の後の「文久(ぶんきゅう)の改革」。誰が主導した改革なのか?どんな改革だったのか?関係者は誰だったのか?を学んでいきます。
1.きっかけ・情報源
幕末・維新・明治初期をしっかりと学ぼうと毎回見ているNHK大河ドラマ『青天を衝け』。
4回目の日米和親条約、8回目の日米修好通商条約、9回目の桜田門外の変、10回目の坂下門外の変に続き、11回目に出ていた「文久の改革」を取り上げます。
今日の写真と地図
↓「大久保利通哀悼碑」(東京都千代田区の清水谷公園)。NHK大河ドラマ『西郷どん」で大久保(永山瑛太さん)が囲碁を通じて久光(青木崇高さん)に取り入っていったのが記憶に残っています。
↓地下鉄「麹町」駅が最寄駅。「赤坂見附」駅や「永田町」駅からも徒歩10分圏内です。
↓東京都内の名所についてはこちらから。
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2.学んだこと
①文久の改革とは?誰が仕掛人?
文久の改革は、薩摩藩主の父(国父)だった島津久光(ひさみつ)の主導による幕政改革。
1862年3月、薩摩藩から千人を超える兵を率いて京都へ。改革の内容をまず朝廷と交渉。了解を得た後、同年6月に朝廷の勅使(ちょくし)と共に江戸へ。朝廷からの勅旨(指示)ということで、幕府も改革を受入。
ちなみに、同年8月、江戸から薩摩への帰り道で起きたのが生麦事件(なまむぎじけん)です。
↓こちらも参照。
②文久の改革の内容は?
実施された主な施策は以下のとおり。
・元越前福井藩主:松平春嶽(まつだいらしゅんがく)が政事総裁職に就任。
・会津藩主:松平容保(まつだいらかたもり)が京都守護職に就任。
・参勤交代の緩和
当時は徳川慶喜も松平春嶽も安政の大獄で謹慎となっていた身。重要職として政治の表舞台に復帰できたのは久光のお陰でした。先日の『青天を衝け』でも、そのお礼を松平春嶽(要潤さん)が久光に述べていました。しかし、慶喜と久光の間には攘夷の考え方を巡り不穏な空気が。その後の不和を予感させる感じでした。
③西郷隆盛と大久保利通は何をしていた??
久光が行った(上洛して幕府の改革を促す)ことは、もともとは異母兄older half brotherの島津斉彬(西郷どんで演じていたのは渡辺謙さん)がやろうとしていたこと。
当時、斉彬の信頼を得て江戸でそのための工作をしていたのが西郷。でも斉彬の死や安政の大獄の影響もあり、西郷は藩命で奄美大島に。
西郷は、久光からの信頼を得ていた大久保の尽力で1862年2月に薩摩に帰国。
しかし、久光との初対面で「あなたは地ごろ(田舎者)だから斉彬のようなことはできない」と言って久光を激怒させ、さらに、京都へ向かう道のりでも久光を再度激怒させることに(下関待機を命じられていたのに、寺田屋事件の原因となる薩摩藩士の暴発を回避するため大坂に無断で行ったもの)。
これが原因で、西郷は同年夏にはまた沖永良部島(おきのえらぶじま)に島流しになりましたexiled to the remote island。
このあたりの久光の激怒ぶり、西郷どんでは青木崇高さんの演技がとても良かったです。
大久保の方は、久光の命を受けて薩摩藩士の暴発回避対応や、久光に先んじて江戸に入り色々と幕政改革のための事前工作を行っていたようです。
結果、慶喜を担ぎ出すことを含め幕政改革の実施に成功した久光でしたが、肝心の慶喜との関係はその後もずっと上手くいきませんでした。
その後、久光は、またも大久保の尽力で戻ってこれた西郷と大久保に、対朝廷や対幕府対策を任せました。いつの間にか、その二人が倒幕に向かっての工作を進め、気がついたら二人とも久光を飛び越えて政府を動かす立場になっていた!?という感じなのでしょうか。
でも、斉彬がいなければ西郷が、久光がいなければ大久保が、大久保がいなければ西郷がいなかった、という関係性はすごいドラマだと思います。
↓こちらで奄美大島取り上げました。
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↓大河ドラマ『西郷どん(せごどん)』のHP。上に記載した2回の西郷島流しは第18回~25回。
3.コメント
『青天を衝け』では、西郷は博多華丸さん、大久保は石丸幹二さんが演じるそうです。栄一と西郷との最初の接点はもうすぐ。どのように描かれるのか楽しみです。
ちなみに、第11回と12回で放送されていた横浜焼き討ち計画は、「文久の改革」の翌年1863年の11月に実行する計画だったそうです。
↓東洋経済オンライン。
4.全国通訳案内士試験問題:文久の改革関連
歴史2019-14:江戸、東京、神奈川、京都、鹿児島、山口、人物
2019年(令和元年)の全国通訳案内士筆記試験「日本歴史(問題番号14)」の選択問題の一つで、「生麦事件と四国艦隊下関砲撃事件の両事件に関する理解」を問う問題がでていました。
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