過去問と受験経験から、一般常識の試験対策として覚えるべきポイントをまとめていきます。自らの知識整理も兼ねています。
1.きっかけ・情報源
これまで「地理」と「歴史」についてまとめてきました。
今回は「一般常識」についてまとめてみます。
地理や歴史と同様に、実際に外国の方に日本を説明しようとするときに役立つことが多いことに改めて気づきました。受験したときの勉強方法も振り返りながら、効率的と思う試験対策をまとめていきます。
↓「地理」対策のまとめはこちらから。
insearchofjapan.hatenablog.com
↓「歴史」対策のまとめはこちらから。
insearchofjapan.hatenablog.com
↓全国通訳案内士試験対策の全体まとめはこちらから。
insearchofjapan.hatenablog.com
今日の本:『旅地図』(昭文社)
↓行ってみたくなる綺麗な写真が満載です。地理と歴史の勉強にも使えます!
<おすすめポイント3つ>
1.写真が綺麗。見ていて飽きません。写真が登場する地理や歴史対策にも役立ちます。
2.地図が詳細。分かりにくい部分でもあるのですが、各観光地の詳細、建物の位置関係がよく分かります。行ったことがなくてもかなりイメージできます。
3.世界遺産、文化財保護法関連の情報が多い。一般常識で必須。特に世界遺産ではない、国宝や重伝建など。写真と地図でも把握できます。
今日の写真と地図
↓観光庁Japan Tourism Agencyのある霞が関近辺。地名は「霞が関」。地下鉄丸ノ内線・日比谷線・千代田線の駅名は「霞ヶ関」です。観光庁はA3b出口が近くです。以前は写真のとおり中央合同庁舎第3号館にありましたが、現在は右(東)隣の中央合同庁舎第2号館に移っています。
2.学んだこと(覚えるべきこと)
☆基本情報①:全国通訳案内士とは
全国通訳案内士の概要や試験内容は、通訳案内士法に定められています。観光庁が所管の資格で、外国人に外国語で旅行案内をするものです。日本のことを外国人に紹介する民間外交員とも呼ばれています。試験内容は、まさに、外国語で日本のことを紹介するだけの知識・能力があるかを図るもので、以下の構成になっています。
1次試験
以下5科目の筆記試験:「外国語」「地理」「歴史」「一般常識」「通訳案内の実務」(但し、外国語は免除制度あり。英語試験の免除は英検1級やTOEIC900点以上など)
2次試験
以下2つからなる口述試験:「日本語での説明を通訳」「3つのトピックから1つを選択。外国語で紹介(プレゼン)。その後質疑応答。」
<参考>
・通訳ガイド制度 | 国際観光 | 政策について | 観光庁
・全国通訳案内士試験概要|全国通訳案内士試験|日本政府観光局(JNTO)
☆基本情報②:筆記試験(一般常識)の概要
産業・経済・政治及び文化に関する「一般常識」です。
下のJNTOのHP(筆記試験過去問題)では「現代の日本の産業、経済、政治、及び文化についての主要な事柄(日本と世界との関わりを含む。)のうち、外国人観光客の関心の強いものについての基礎的な知識を問う」と記載されています。
同じHPに試験問題は『最新の「観光白書」や新聞(一般紙)に掲載された時事問題をベースに出題』とも説明されています。
問題数:20問前後
試験時間:20分
解答方式:短答式(4つの選択肢。正しいものか誤っているものかを選択。全ての問題の答えが分かる必要はありません。確実に合っていると思う1つか、確実に間違っていると思う3つが分かれば大丈夫です。)
合格基準点:原則30点(50点満点ですので1問2点か3点です。あくまで基準ですので難易度が高ければ基準点が低くなることもあります。よくあります。)
<参考>
・筆記試験過去問題(一部)|全国通訳案内士試験|日本政府観光局(JNTO)
・受験者及び合格者数、合格基準|全国通訳案内士試験|日本政府観光局(JNTO)
・2021年度全国通訳案内士試験|全国通訳案内士試験|日本政府観光局(JNTO)
↑施行要領やスケジュール(願書受付・試験日・合格発表)などの情報があります。「施行要領(PDF)」と「全国通訳案内士試験ガイドライン(PDF)」には試験の詳細情報が記載されています。必読です!
①まず観光白書!-外国人観光客の動向
「内容は、最新の「観光白書」や新聞(一般紙)に掲載された時事問題をベースに出題」と明記されていますので、まずは、観光白書white paper on tourismの理解が基本です。
観光白書の中では、特に、「本文(第Ⅰ部 観光の動向)」の確認が必須です。
通訳ガイドが対応するのは外国からの観光客です。
世界の観光動向、どの国・地域から観光客が来ているのか、何に関心があるのか、何にお金を使っているのか、といったことはガイドにとっても必須の知識です。日本を観光で訪れる際のビザの必要有無などもよく問われています。
具体的には以下のような内容が挙げられます。
・訪日外国人旅行者数
・上記のうち上位5ヶ国と順番、各国からの旅行者数
・訪日外国人による旅行消費額
・消費額の上位項目
・旅行消費額について地域別国別の特徴
・訪日外国人旅行者のビザ有無
↓以上のなかで主なものはこちらから。
insearchofjapan.hatenablog.com
②次も観光白書!-国の観光政策
観光白書には国の観光政策が記載されています。
観光庁の関連書類でも通訳案内士は民間の外交員と説明されていますので、国が外国人観光客誘致や満足度向上のためにどのような政策を取っているか、予定しているか、を理解することも重要です。
具体的なトピックには以下のようなものが挙げられます。
世界遺産(無形文化遺産も含む)
↓世界遺産についてはこちらから。
insearchofjapan.hatenablog.com
insearchofjapan.hatenablog.com
文化財保護法関連(国宝・重伝建など)
↓文化財保護法関連についてはこちらから。
insearchofjapan.hatenablog.com
国立公園
↓国立公園についてはこちらから。
insearchofjapan.hatenablog.com
交通機関(空港・クルーズ船・電車等)
↓交通機関についてはこちらから。
insearchofjapan.hatenablog.com
国際的なスポーツイベント
↓国際的なスポーツイベントについてはこちらから。
insearchofjapan.hatenablog.com
日本独自の文化
↓日本独自のスポーツについてはこちらから。
insearchofjapan.hatenablog.com
試験の時には、以上のようなトピック・キーワードを意識しながら、直近2年分くらいの観光白書を読みこみました。
③時事問題-新聞の一面で(外国人が関心を持ちそうな)トピック
あとは、上述した試験の内容に記載されているとおり、「産業、経済、政治、文化」に関して、「新聞の一面になるくらい大きなトピック」で、かつ、「外国人が関心をもちそうなもの」、を予習しておくしかありません。
2020年の問題では、2019年度に関連法が施行された「働き方改革」に関する問題、2019年度に渋谷でパレードがあった「LGBT」に関する問題、などがありました。過去、成人年令の引き下げ、文化庁の京都への移転、映画アニメなどの聖地巡礼、といったテーマも出題されています。
ここ1年(2021年)のトピックと言うと、鬼滅の刃Demon Slayer、カーボンニュートラル、緊急事態宣言、ワクチン、テレワーク、自民党総裁選、選挙、二刀流two-way playerなど、いろいろ思い浮かびます。→2021年度はSDGsやテレワークの問題が出題されていました。
3.コメント
世界遺産、文化財保護法関連(国宝・重伝建など)、国立公園などは、地理や歴史の出題範囲とも重なります。
地理や歴史対策でしっかりと勉強していれば、一般常識の方では最近の観光白書に記載があるかないか、をチェックするだけで済みます。
ただ、最近新たに世界遺産などに登録されたものはしっかりと理解しておくことが必要です。
2019年の問題では、2018年に世界遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が問われる問題がありました。それ以降、2019年度に「百舌鳥・古市古墳群-古代日本の墳墓群」、2021年度に「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」「北海道・北東北の縄文遺跡群」が登録されています。
4.全国通訳案内士試験問題(一般常識)の特徴
リンクは、3の①②で紹介した個別記事に繋がっています。各記事の中で各問題の概要を記載しています。
(1)2021年(令和3年)
一般常識2021-01:訪日外国人旅行者関連
一般常識2021-02:日本の人口動態
一般常識2021-03:ラグビーワールドカップ関連
一般常識2021-04:国の観光政策関連
一般常識2021-05:国の観光政策関連
一般常識2021-06:国の観光政策関連
一般常識2021-07:国の観光政策関連
一般常識2021-08:文化財保護法関連
一般常識2021-09:寺院の多い都道府県
一般常識2021-10:日本の観光(パッケージツアー)
一般常識2021-11:日本の観光(ウポポイ)
一般常識2021-12:所轄官庁(ホテル・旅館)
一般常識2021-13:所轄官庁(空港の出入国)
一般常識2021-14:SDGs
一般常識2021-15:SDGs
一般常識2021-16:テレワーク
一般常識2021-17:日本版MaaS
一般常識2021-18:世界遺産・日本遺産
一般常識2021-19:ユネスコ無形文化遺産
一般常識2021-20:世界自然遺産
(2)2020年(令和2年)
一般常識2020-01:東京オリンピック・パラリンピック関連
一般常識2020-02:東京オリンピック・パラリンピック関連
一般常識2020-03:東京オリンピック・パラリンピック関連
一般常識2020-04:国の観光政策関連
一般常識2020-05:国の観光政策関連
一般常識2020-06:国の観光政策関連
一般常識2020-07:訪日外国人旅行者の消費動向関連
一般常識2020-08:訪日外国人旅行者の消費動向関連
一般常識2020-09:訪日外国人旅行者の消費動向関連
一般常識2020-10:訪日外国人旅行者の消費動向関連
一般常識2020-11:訪日外国人旅行者の消費動向関連
一般常識2020-12:IR(統合型リゾート)関連
一般常識2020-13:地域の活性化関連
一般常識2020-14:地域の活性化関連
一般常識2020-15:地域の活性化関連
一般常識2020-16:国立公園の取組関連
一般常識2020-17:働き方改革関連
一般常識2020-18:性の多様性を認める取組関連
一般常識2020-19:世界の外国旅行の動向関連
一般常識2020-20:世界の外国旅行の動向関連
一般常識2020-21:世界の外国旅行の動向関連
一般常識2020-22:世界の外国旅行の動向関連
一般常識2020-23:観光における危機管理関連
(3)2019年(令和元年)
一般常識2019-01:訪日外国人旅行者関連
一般常識2019-02:訪日外国人旅行者関連
一般常識2019-03:訪日外国人旅行者関連
一般常識2019-04:訪日外国人旅行者関連
一般常識2019-05:訪日外国人旅行者関連
一般常識2019-06:国際観光旅客税関連
一般常識2019-07:旅行業法関連
一般常識2019-08:訪日外国人旅行者のビザ関連
一般常識2019-09:世界遺産関連
一般常識2019-10:世界遺産関連
一般常識2019-11:交通運輸機関関連
一般常識2019-12:迎賓館関連
一般常識2019-14:文化庁関連
一般常識2019-15:ラグビーワールドカップ関連
一般常識2019-16:オリンピズムの理想関連
一般常識2019-17:国際博覧会関連
一般常識2019-18:国際博覧会関連
一般常識2019-19:文化財保護法関連(重要伝統的建造物群保存地区)
一般常識2019-20:文化財保護法関連(重要伝統的建造物群保存地区)
(4)2018年(平成30年)
一般常識2018-01:訪日外国人旅行者関連
一般常識2018-02:訪日外国人旅行者関連
一般常識2018-03:訪日外国人旅行者関連
一般常識2018-04:日本人の海外旅行関連
一般常識2018-05:世界遺産関連
一般常識2018-06:交通運輸機関関連
一般常識2018-07:交通運輸機関関連
一般常識2018-08:交通運輸機関関連
一般常識2018-09:労働基準法関連
一般常識2018-10:労働基準法関連
一般常識2018-11:成人年令に関する民法改正関連
一般常識2018-12:オリンピック関連
一般常識2018-13:サッカーワールドカップ関連
一般常識2018-14:相撲関連
一般常識2018-15:文化財保護法関連(国宝)
一般常識2018-16:将棋(藤井聡太棋士)関連
一般常識2018-17:公的施設公開関連
一般常識2018-18:映画ドラマアニメの聖地関連
一般常識2018-19:浮世絵関連
一般常識2018-20:日本食関連
ランキング参加してます↓
5.ブログ内リンク(トップページ含む)